(独)科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業 個人型研究 さきがけ
JST 数学領域
数学と諸分野の協働によるブレークスルーの探索 |
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錯視の謎に数理モデリングで迫る |
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数理視覚科学とは何か − 新しい学術分野の提唱 |
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(独)科学技術振興機構 数学領域 さきがけ一期生
東京大学大学院数理科学研究科 教授 |
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新井 仁之 |
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錯視が果たす役割 |
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前ページでも述べましたが,数理視覚科学の目的は視覚の仕組みの解明です.特にこれは従来の視覚や錯覚の研究とは違って,数学を駆使しています.数学といっても多種多様ですが,近年急速に発展している先端的な数学です. |
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視覚の研究に数学 ? |
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と疑問を持たれる方もおられるでしょう.視覚の研究に一体どのように数学が使えるのでしょうか. |
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じつはここで錯視が登場するのです.数理視覚科学では錯視が視覚と数学とを結びつける糊の役割を果たしているのです.このことを説明するために,まず私の研究方法のエッセンスを述べておきます. |
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キーワードになるのが |
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視覚の数理モデル |
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です.数理モデルというのは,数学を使って作った模型のようなものです.つまり視覚の数学を用いた模型を設計して,それをコンピュータに組み込んで,いろいろと調べていこうというわけです.視覚の数理モデルを作ることを数理モデリングといいます. |
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さて,数理モデルの研究で問題となることは,作ったモデルが実際のもののモデルになっているかどうかということです.つまり視覚の数理モデルを作ったとして,それが実際の視覚の適切なモデルになっていることを確かめる必要があるのです. |
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それにはどうすればよいでしょう |
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私はそのために錯視を用いています.というのは,もしも視覚の数理モデルが適切なものであれば,その数理モデルを実装したコンピュータは,私たちと同様に錯視を引き起こすはずだからです. |
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新井仁之,錯視の数理,『社会を変える驚きの数学』(ウェッジ選書)に掲載の絵 (新井作) |
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そして私は,実際に視覚の数理モデルを作成し,いくつかの錯視を精確にコンピュータで再現させることに成功しました. |
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ところで錯視の果たす役割は,単に数理モデルが適切かどうかチェックするための道具というものだけではありません.コンピュータが錯視を起こすようなアルゴリズムを考えて,逆にそこから,実際の視覚の情報処理のメカニズムを推測することも可能だと考えています.私は実際に,このような方法でいくつかのニューロンの働きに対する数学的な推測を立てています. |
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新井仁之,錯視の数理,『社会を変える驚きの数学』(ウェッジ選書)に掲載の絵 (新井作) |
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