数学のたのしみ
ウェーブレットと視覚

-明暗の錯視をめぐって -

新井 仁之
数学のたのしみ 2004 秋 (日本評論社),pp.78-99.
本稿では,錯視の発生に関する筆者の最近の研究成果の一部を述べました.特にウェーブレットを用いた新しい計算機シミュレーション結果とそれに基づいた数学的な分析を記してあります.分析している錯視は次のものです.
ヘルマン格子錯視,
Wolfeの現象,Spillmann の現象,
階段の錯視,
視覚の非線形性を示す錯視,
マッハの帯,
明暗の対比,
トドロヴィックの錯視,
カフェウォール錯視とそのヴァリエーション
内容構成
1. はじめに
2. 視覚情報処理におけるウェーブレット
3. フィルタバンクの構成と非線形処理
4. 計算機による錯視のシミュレーション
5. 画像処理への可能性
6. あとがき