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数理視覚科学から生まれる新しい画像処理技術 |
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初出『数理 News 2013-2』(2014年3月28日発行)掲載の受賞記事 |
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特許データ更新 2014年11月18日 |
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東京大学 新井仁之 |
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2013年度日本応用数理学会論文賞が、2010年発行の同学会欧文誌に掲載の論文「Framelet analysis of some geometrical
illusions」(H. Arai and S. Arai)に対して授与されました。これを機に本紙から執筆を依頼されました。しかし、この3年間で視覚の数学的研究は新たな方向にも発展し、例えば菓子缶のデザインや本の表紙などのために,数学を使って錯視アートを作成するなど商品化がされました。このほか、各種施設での作品展示、また画像処理への応用も得られました。そこで、本稿では受賞論文以降に得た成果のうち、画像処理への応用など、実用的な研究結果の一部について述べたいと思います。 |
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§1. 人の視覚に優しい新しい鮮鋭化技術 |
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筆者らは脳内のある領野で行われる視覚の情報処理の数理モデルを構築しました。これは脳内の神経細胞が行う情報処理の数理モデルです。これにより錯視の構造の数学的解析が可能になりました。さらに「人の視覚系はものをよく見ることができるように形成されており、その代償として錯視が起こる」ことも数学的に示しました。これらの結果を踏まえて、筆者らはその数理モデルを基礎にした画像処理の研究も行い、人の視覚にとって見やすい、これまでにない画像処理を可能にしました。 |
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紙数の関係で画像を掲載できませんが、カラー画像の自然な鮮鋭化技術などを発明しました(特許取得)。 |
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§2. 人の視覚を強化する画像処理技術 |
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数理モデル上では、視覚の特定の機能を特化させることが可能です。この発想で人の視覚を強化するような画像処理の研究も行い、視認しにくいものを発見しやすくする画像処理法を考案しました。たとえば下の画像とその説明をご覧ください。この他にも、視認しにくい対象の検出に優れたいろいろな画像処理技術を開発しました。(特許取得) |
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§3. ディジタルフィルタの新しい設計法 |
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視覚の数理モデルを用いて、ディジタルフィルタの従来とは全く異なる構成法を考案しました(特許取得)。その応用として、紙数の都合で掲載できませんが,スーパーハイブリッド画像などの開発にも成功しました(特許取得)。それを用いた作品がアート関連の展覧会にも出品されました。 |
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*)§1, 2, 3は新井しのぶとの共同研究によるものです。 |
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§2参考図:上図が原画像。下図が筆者らの考案したエッジ類の抽出技術を施した画像。赤丸の部分を見ると、鉄塔と電線があることがすぐに視認できる。一方、原画像のみでは視認しにくい。特に下図(原画像)の左側の赤丸で囲んだ鉄塔と電線は原画像では発見そのものが難しい。このように一見発見・視認しにくい物の検出に本技術が応用できる。 |
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詳しくはこちら: |
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新井仁之、数理視覚科学から生まれる新しい画像処理技術 - 数理視覚科学の産業応用のために -、2013. 東大数理新井研究室発行 (オールカラー冊子) |
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