錯視の科学館 展示
             
  文字列傾斜錯視には異なるタイプがある      
           
    2012年12月1日 新井仁之・新井しのぶ    
     
   文字列傾斜錯視自動生成アルゴリズムは、与えられた文字の集団から傾いて見える文字の配列を,コンピュータに自動的に見つけさせることができるものです。今回は文字列傾斜錯視自動生成アルゴリズムのもつ別の性能について書こうと思います。  
   それは、  
    近くよりも遠くから見た方がよく傾いて見える文字列傾斜錯視、  
    遠くから見てもわからないがかなり近くから見ると傾いて見える錯視、  
    遠くや近くよりもやや近距離から見た方が傾いて見える錯視  
  など、つまり錯視がより強く起こる距離も加味して文字列傾斜錯視を作ることができるというものです。これらの錯視を便宜上、順にタイプ1、タイプ2、タイプ3と呼ぶことにします。  
   次の①がタイプ1、②がタイプ2、③がタイプ3の作成例です。  
     
   文字列傾斜錯視タイプ1  
     
   文字列傾斜錯視タイプ2  
     
  文字列傾斜錯視タイプ3  
     
  画像の大きさを変えて、遠くで見たとき、近くで見たとき、そのどちらでもないやや近距離から見たときの疑似体験してみましょう。もちろん画面表示の大きさに依存しますが。  
   
     
文字列傾斜錯視 1 
   
文字列傾斜錯視 2
     
文字列傾斜錯視 3
     
     
  補遺:文字列が傾いて見える錯視と文字列傾斜錯視自動生成アルゴリズムについて  
   2005年頃にインターネットの掲示板で文字列が傾く錯視を作る遊びが流行りました。そして、匿名で傾いて見える文字列がいろいろと投稿されました。この文字列が傾いて見える錯視が起こる理由として、一般的には文字の中の目立った水平線が次第に傾いていくのが原因であるという水平線説がよく知られています。しかしそれだけでは説明のできないものもあり、新井仁之と新井しのぶは2012年に水平線説を含む一般的な理論を考案して、文字列傾斜錯視自動生成アルゴリズムを作りました。詳しくは錯視の科学館の『文字列傾斜錯視の自動生成アルゴリズムについて』、または『文字列傾斜錯視作品集』をご覧ください。  
  なお文字列傾斜錯視自動生成については、すでに特許が取得されています(発明者:新井仁之・新井しのぶ、出願人:国立研究開発法人 科学技術振興機構)。  
     
 
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  錯視の科学館では,いろいろなオリジナル錯視も楽しめます.錯視の科学館へどうぞ.       
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